Q.年齢が上がって、足の血管が膨らんで瘤のようにボコッとふくらんでる 。これって危険じゃないの?
A.これは下肢静脈瘤についての質問と思われます。
座っているとなんとも無いのに、立ち上がると血管が皮膚の表面に浮き上がって腫れる現象です。年齢と共に静脈の逆流防止弁が機能しなくなり発生します。見かけがよくないので、特に女性は気になると思います。
下肢静脈が膨れると、まず連想するのが、俗に言うエコノミークラス症候群、つまり下肢静脈血栓症の心配です。下肢の静脈内に血栓(血のかたまり)ができる現象ですが、怖いのはその合併症である、肺塞栓症が起こることです。肺塞栓(はいそくせん)とは、体のどこかの静脈に血栓ができて、それが血管内を移動して肺に到達し、肺の血管を詰まらせることです。そうなると、肺の血流がにぶり、酸素をうまく体に供給できなくなり、突然死に至る危険もあります。幸い下肢から血栓が飛ぶとすれば、それは深部静脈からで、表面、つまり静脈瘤から飛ぶことはありません。ですので、そう言う意味では静脈瘤に危険はありません。
問題があるとすれば、誤ってぶつけて出血したり、細菌が入って感染症を起こすくらいです。出血は圧迫すれば止まるし、感染は抗生剤で治ります。
また血管が腫れると違和感を感じることもありますが、特に危険はなく、圧迫用のストッキングの装着でほとんどが解消します。なので、一番は見かけの問題だと思います。もし気になるようであれば、静脈瘤治療を実施している医療機関の受診をお勧めします。
東京衛生アドベンチスト病院監修