農林水産省は、目に見えるカビの部分を取り除いても、目に見えないカビが食品の内部や表面にまだ残っている可能性が十分あるので、思い切って食べずに捨てることを推奨しています。
カビの中にはカビ毒と言われる人の健康に悪影響を及ぼす物質を作るものがあります。東京都保健福祉局は、カビ毒は熱に強い物が多く、ゆでる、焼くなどの一般的な調理や加工の温度(100℃~210℃)や時間(60分)では、カビ毒が分解されて毒性が無くなることはなく、カビ毒がわずかであっても、長い間、何度も摂り続けた場合は、健康に悪影響を及ぼす可能性がある、と言っています。また、虫食いや変色した物はカビ毒の汚染率が高いので、カビが生えている物、虫食いの物、食べて苦い物、未熟な物は食べないようにした方が安全、とも言っています。
良く知られているカビ毒に、ピーナッツなどに見られるアフラトキシンがありますが、急性中毒の例としては、1974年にインドで肝炎のために106名が亡くなった事件や、慢性中毒については、タイ、フィリピン、南アフリカ、ケニヤなどで、肝がん発生率とアフラトキシン摂取量との間に関連性があるという研究報告があります。
東京都の調査によると、ピーナッツ・ピスタチオなどのナッツ類、とうもろこし、ハト麦、そば粉などの穀類、ナツメグ、白コショウなどの香辛料、あんこの原料となる豆類、ナチュラルチーズなど多くの食品からアフラトキシンが検出されているが、微量で、検出された物は全て輸入食品で国産品からは検出されていない、ということです。
できる限り食品をカビさせないように保存し、できるだけ早く食べるようにしましょう。
東京衛生アドベンチスト病院監修
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