昼は野菜ジュース

Q.「サラダを食べる時間がないので、昼は野菜ジュース。これでも大丈夫？」

A.朝食と夕食をきちんと召し上がっているようであれば、昼食が理想的な食事内容でなくても当面の問題はないでしょう。でもここでは長期的にみた場合を考えてみましょう。

野菜と野菜ジュースは同じものではありません。同じものではない以上、同じ効果も期待できません。野菜ジュースといっても自分がミキサーで作るのか、市販のものを利用するのか、どの会社の何ジュースを飲むのか等によっても違いが出てきます。一般的には野菜をジュースにすると、食物繊維、とくに水に溶けない部分（不溶性食物繊維）が取り除かれ、製造過程で微量栄養素が失われるといいます。市販のものでは飲みやすくするための味付けがなされることでエネルギー量が高くなり、加工された糖が使われている場合は、長期使用で肥満をはじめとした体への好ましくない影響が出る可能性もあります。

野菜とジュースで大きく違うことのもうひとつは、ジュースは「噛む」ということをしない点です。高齢者など食べ物を噛めない状況でのジュースは大変に有用ですが、健康の基本である「噛むこと」には栄養補給にとどまらない意味があり、虫歯や歯周病の予防、肥満の予防、脳を活性化して記憶力を高める、ストレスをコントロールする、などの効用が期待できます。

食べる時間がないという、その生活自体を変えられるでしょうか。若いうちは無理がきいても、年を重ねるほど、好ましくない生活習慣のしわよせが出てきます。昼食に野菜ジュース、という生活が短期間続いても心配ありませんから、その間に何をどう変えればいいのか、１日の中でしなくてもいいことに多くの時間を割いていないかどうかなどを見直してみてください。

東京衛生アドベンチスト病院監修