Q.長生きにいい栄養素はありますか?いくつか教えて下さい。
A.栄養不足になってなんらかの栄養素欠乏症になっては健康を損ねますので、元気で長生きのためには、基本的に農林水産省と厚生労働省が作成した「食事バランスガイド」に沿った栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。食事バランスガイドでは、特に不足しがちな野菜料理を1日に小鉢で5~6皿は摂るように推奨しています。
栄養バランスの良い食事をしている中で、長生きに良い栄養素を特に摂る、ということですが、
「アンチエイジング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?日本語でいうと「抗加齢」、つまり加齢に抵抗するといったようなことです。
日本抗加齢医学会では、老化には2つの仮説があって、ひとつはカロリー制限仮説で、古くは1935年のマウスの摂取カロリーを70%程度に減らすと寿命が延びた、という研究があり、最近ではカロリー制限により、サーチュインという酵素が活性化して、長寿にかかわるシステムを増強した、ということから、腹八分目は長寿につながる、というカロリー制限仮説が言われています。
もう一つは、マウスの体細胞中で酸化を抑える酵素を過剰に発生させると寿命が延びた、といったような研究から、色々な病気を含め、老化は酸化ストレスによって進む、という酸化ストレス仮説です。
酸化ストレス仮説が正しい、とすると、抗酸化の栄養素を摂るのが良いことになります。抗酸化ビタミンである β(ベータ)カロテン、ビタミンC、ビタミンE、そして、野菜や果物にはファイトケミカルといった抗酸化物質が豊富に含まれます。βカロテンはにんじんやモロヘイヤ、ビタミンCはキウイ、いちご、柿、ビタミンEはアーモンドやかぼちゃなどに多く含まれます。これらの抗酸化ビタミンを豊富に含む野菜・果物を中心に、1日に野菜は少なくとも5皿、果物を2つくらい食べると良いでしょう。
東京衛生アドベンチスト病院監修