Q.足腰のしびれ、脊柱管狭窄症って何?
A.みなさんは机のかどに肘をぶつけて手がビリビリとしびれたことはないでしょうか。これは肘を通る尺骨神経が押しつぶされて、電気信号が脳に伝わったためにおこります。
同じ理屈で、背骨には神経の通り道があり、これを脊柱管というのですが、この管が狭くなり、中を通っている神経が押しつぶされると、腰から足にかけてしびれがでるのです。
長年にわたり腰に負担をかけることにより、骨と骨の間にあるクッションの役割をする軟骨、これを椎間板と言いますが、これが傷んできてはみだし脊柱管の前側から神経を圧迫します。
更に脊柱管の後ろ側で骨と骨をつなぐ伸びちぢみする組織である黄色靭帯(オウショクジンタイ)が傷んできて厚くなると、後ろ側から神経を圧迫します。
脊柱管狭窄症とは前からは椎間板が、後ろからは黄色靭帯が、神経を押しつぶす、つまり脊柱管が狭くなる病気です。
下肢痛・下肢のしびれが最も多い症状で、腰痛はあまりないこともあります。病状が進行すると、長い時間続けて歩くと下肢の痛みのため動けなくなりますが、しばらくしゃがんで休んでいるとまた歩けるようになる、間欠性跛行(カンケツセイハコウ)という症状がでてきます。
腰をかがめると脊柱管が広がりますから、歩きやすくなります。自転車に乗っている姿勢は前かがみですから、自転車ならいくらでも漕いでいられるけど、長く歩けないということがおこります。
こんな症状があったらぜひ整形外科を受診して下さい。軽症であれば、飲み薬で治療ができます。また重症でも脊柱管を広げる手術ができます。
東京衛生アドベンチスト病院監修