帰属意識を
1979年のことです。アメリカの医療統計学の雑誌にこんな研究発表がなされました。カリフォルニア州の大人6928人を対象に、9年間追跡調査した結果でした。
これによると、孤独な人と社会的な交流が最も多い男女を比べると、孤独な人は死亡率が男性で二・三倍、女性で二・八倍にもなったというのです。社会的な交流が多い人、つまり社会的なサポートがより多い人の方が、より長生きすることになります。これは複数の他の研究からも裏付けられ、わかってきたことです。
では、社会的なサポートがあると、どんな良いことがあるでしょうか。まず、帰属意識ができます。自分自身が価値ある存在と認められるようになります。そして、何かしら助けや疑問に対する答えが必要なときに、頼ることのできる人がいるとわかっていると、本当に気持ちが安らぐものです。
注意したいのは、ここで必要とされる人間関係は誰かに依存するものではなく、持ちつ持たれつの関係だということです。ストレスのあまり自分のエネルギーを消耗してしまうようではいけませんから、相手は選ばなくてはなりませんが、自宅で、学校で、職場で、地域において、面倒だからと一人の殻に閉じこもるのではなく、自分がしてほしいように相手にもすることで、他のどんな薬でも得ることのできない心の平安と健康を自分のものにすることができるのだと思います。
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