Q. 小指以外がしびれる。これって何？？
A.手には3本の末梢神経がきています。大まかにいえば、尺骨神経が小指と薬指の小指側の、正中神経が手のひら側の親指から薬指の母指側までの、橈骨神経が手の背側の、感覚をそれぞれ支配します。
小指のしびれがないということは尺骨神経は正常であるといえるでしょう。
手の感覚でもっとも気になるのはモノと触れ合うことの多い手のひら側でしょう。これは正中神経の領域です。
小指以外がしびれる原因として最も頻度が高いのは、手首の部分で正中神経の通り道が狭くなり生ずる、手根管症候群です。手首の使いすぎのより発症することが多いです。妊娠出産期や更年期のホルモンバランスのくずれも原因となりますし、リウマチや腫瘍、手首の骨折なども手根管の狭小化の原因となりえます。
手首を圧迫しての痛みがあれば手根管症候群を疑います。
また両の手首を手のひら側に90度に曲げて、つまり神様を拝むときときの逆の形で、指はのばしておいて症状が悪化するか1分ほど観察します。これをファレンテストといいますが、しびれが悪化すれば手根管症候群の可能性が高いです。
このように手首の動きによって症状が悪化すれば手根管症候群と診断できます。
治療は手首の安静が第1です。ステロイドの注射も効果があります。保存療法で効果がない場合、手根管開放術をおこないます。
手首に問題が無い場合、そのもっと上流に原因を求めます。手にゆく神経のおおもとは頸椎から出てきています。第6頚神経・第7頚神経の障害により手の親指側のしびれを生ずる可能性があります。首をうごかして、手のしびれが悪化すれば頸椎由来の症状を疑います。このような場合、整形外科受診をおすすめします。頸椎MRI検査が診断に有用です。
東京衛生アドベンチスト病院監修